十一月

11/1

新宿でゴッホ。「記憶を見ているみたい」と思った。

11/2

午前

あなたが、私のために「何もかも失った」というフリをする横で、私は、あなたのために「何ひとつ失っていない」というフリをする。

午後

例えば「箸」と聞いたとき、食器、道具、プラスチック、木、食べ物、和食、マナー、誰かと過ごす楽しい食事の時間、バチ、箸置き、という感じで、誰でも様々な方向へ連想するものだと思うんだけど、その中のどれに付箋をつけておくかで、それぞれの考え方が明確になると思っている。私は「箸」であれば「二つで機能するもの」に付箋をつける。それはドアノブや手袋と同じ色の付箋です。

夜中


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11/3

午前

他人にたいして「知りたい」という感情があまりない。教えてくれたことは覚えているけど、なんていうか、知らなくても好きなんだよね。もう「好き」がそこにある。無から有へ。〝無からは何も生じない〟とか言って笑うの?あなたが良い人間だと知っても、悪い人間だと知っても、何も変わらない。変わらないし〝無からは何も生じない〟つまりね、私は、愛するために十分な「あなた」をもう知っている。本当に好きなの?とか言って笑っちゃう。私は死ぬほどロマンティックな人間だよ。

夕方


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深夜

私には「仕送り(食品)をしたい」という願望があります。

11/4

午前

「頭が良いってそんなに大事?もっと他に大事なことがあると思うけど?」と友人。「大事だよ、絶対ではないけどね。使い方を知るためだよ。使い方を知らなければ、使えずに終わるか、乱暴にして壊してしまう。使い方を知らないってことは、直し方も知らない。壊すだけになってしまう。自分もそうだし、他人にもそうしてしまう。それが好きなら問題ないけどね。壊れないものを探して、見つけてどうなる?この世のほとんどのものは壊れてしまうのに。使い方がわかれば、直し方もわかるかも。作り方も見つけるかも。壊れないものすら作り出せるかもしれない。可能性だよ、可能性を見つけ出せる程度に頭は良くないと、頭を抱えるばかりになってしまう。自分のためだよ、絶対ではないけど大事」と私。

午後

18のとき、初めて恋人を持った。一人では足りないと二人目の恋人を持った。それからしばらくして三人目の恋人。私はこの三人目を気に入った。二人と別れ、彼と付き合いだしたが、すぐにまた別の恋人が。正直なところ、最初からずっとこんな調子で、一度も一対一で付き合ったことがない。半年ほど誰とも付き合わない時期があって、そのときには「次はちゃんとする」と思った、思ったんだけど、新しく恋人が出来るとなぜだか「そうだった、私はもっと欲しい、集めたい、願いたい、叶えたい」この調子、頭を抱えるばかり。

夜中

「1+1=2」このとき、私が見ているのは「 + = 」こうだ。自分の感情すら他人事なのに、他人の感情と一体、どう寝ればいい?絶対に寝たいんだけど。

11/5

午前

私はコーヒーが好きな人にコーヒーを売る。紅茶が好きな人のところへ行って「美味しいコーヒーがあって」とは言わない。ただコーヒーが好きな人にコーヒーを売る。そうしていると、紅茶が好きな人がやって来て、私に、言う。「美味しいコーヒーがあるって」

午後

本当のことを言ったあとで「嘘だよ」と笑うのも、嘘を吐いたあとで「本当だよ」と笑うのも、自分の弱さで、だけどそれは、他人のために用意したものだ。欺くなんてと怒る?私はいつも、あなたに触れる指先に、余計な力が乗らないように注意している。だって私のための私なんて誰が欲しがるの、私以外に誰が。わかる?あなたは全てをわかって「もう黙って」と笑って。

好きな男とポーラ美術館の森の遊歩道で迷子になるまで、私は絶対に死なないからな。

11/6

自身の性質を完全に忘れ、久しぶりに髪を染めた結果「そうだった、こうだった、ええ、だるい、プリン!!!!!とりあえず無視!!!!!」この有様である。

「顔が好き」と言ってくれる人、ほとんど全てのことを許してくれる。顔が好き、強固である。私は「きみの顔が好き」と言ってくれる人と付き合う。

11/7

午前

相手の好意に引っかけ、罪悪感を引っぱり出し、相手に加害者意識を持たせることで、相手を縛る、そのような言い回しがある。口にする本人が、それに意識的でも、無意識的でも、相手にそのような効果を与えてしまう言葉。私は使わないが、恋愛に慣れている人間であれば大抵は使う。効果的な場面で、より効果的に使う。これは本当に無駄がなくて、相手の好意が大きければ、大きいほど、面白いように機能する。だから、私は使わない。

午後

私「どこにいても、一目見ればわかるはず。私の相手なら、美しい球体として再生している。半球体の中にただ一つ、私の運命だけが、美しい〝一つの〟球体として存在している。だって、私ならそうする。そうやって、私があなたの相手だって、知らせる」

「だるい、あとでやる」で、こちらはまだ再生していません。おそらく、向こうもそうだと思います。急ぎます、急いでください。

夜中

すぐに「結婚する?」って言っちゃダメ、覚えた。

11/8

午前

夢を見た。大きな家のリビングにいる。その日の夕食には私の好きな男もいて、彼は、いつも通り優しく私の話に耳を傾けていたが、いつも通りすぐに、食事を終えると部屋に戻ってしまった。彼は、私のことなど好きではないのだ。大きな家のリビングで、私はその家の犬の腹を撫でていた。テーブルから綺麗な男が私を眺めている。私は、この男を「美しい容貌の男」だと思っていた。それだけだった。綺麗な男に言う「こっちにきて、私にも同じようにして」撫でて欲しい。男は私のすぐ横に膝をつくと、楽しそうな様子で腹を撫でた。それから髪を撫で、頬を撫で、キスをした。セックスの途中、彼は私以外の全てを「嫌いだ」と言った。生きることも、働くことも、自分も全て。本当は私のことだって好きではないのだ。それでも私を除いた。この夢には私の名前がついている、だからこれでいい。彼は「午後から仕事があるから」と悲しそうに笑うと、自分の家に帰っていった。

森の中にあるベンチに綺麗な男が座っている。通り過ぎる友人らしい男が「午後から仕事だろう?」と声をかける。彼はいつも飲んでいる薬を、いつもより多く飲んで、ボトル一本の酒を飲み干すと「今日は出来た、完璧に出来た」と言った。好きな女に好きだと言うことも、死ぬことも、今日、全てが完璧だった。

綺麗な男が死んだと聞いて、私は考えていた。彼が死ななければ、あれはたくさんあるセックスの一つだった。ひと月前の食事のように、やがて「食べた」という事実以外は失われていくような、そのうちに「ひと月前も、もっと前も、私は何かを食べたよ、何かを食べたから今、生きているんでしょう?」なんて、そのように消費されていく一日の、一回の、一つだった。それで、ああ、彼が好きだと思った。好きだと思って、だけど、もう全ては完璧になって閉じられてしまっている。私は綺麗な男を好きだと思って、それで「嗚呼」そういう夢だった。

午後

私が触れられないものは、私のものではない。私が触れないものも、私のものではない。

夕方


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物語にされると理解が遅れるので、私に何かを伝えたいときは、結論からお願いします。私も無理をせず、結論からお伝えします(結論)。嫌だ!!!!そんなの会話じゃない!!!!

夜中

私が間違えると、別の私がやって来て「何度やり直したとしても、またここで間違えるよ。それを選ぶ人間なんだもん、何も間違っていない。だから先へ進んで」と言う。そうして教えてくれる。私はいつも、私として、正しく間違えていると。

11/9

午前

男「ここにいてくれたらそれでいい」私「そんなことでいいの?」男「そんなことすら叶えてくれないくせに」

私、アメリカンクラブハウスサンドのこと、好き。こんなに好きなのに、どうして上手く食べられないの。好きだから?余裕がないから?そうなの?

午後

恋人はいつも「かわいい服きてるね、よく見せて?」と、私を自分の前に立たせる。私はそれ、最高に好きだって思ってる。

今夜


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11/10

午前

「なんなんだろう、感情。なんであるんだろう」と友人。「思考するためにあるんだよ。思考もまた感情のためにある。感情は人間に与えられた問題で、思考はその問題を解くために与えられた道具だよ。そしてこの二つがあるから人生に退屈しなくて済む、と私は思う」と私。

午後

ちょっと遊んだ男の子の恋人から呼び出されたことがある。良い子だった。声を荒げることもなく、あなたのことは許せないけど「会ってみたかった」と言った。私のブログが好きだったと。がっかりした?私は彼女にがっかりされたとそう思って、それでひどく、胸が高鳴った。妙な愛しさ。それから彼女は、ケーキを食べる私に「こぼしてる。そういう感じなの?なんかもうどうでも良くなったよ、ふきな?」と笑って、ハンカチを差し出してくれた。私はときどき、貴女のことを思い出すよ。貴女の恋人のことはあまり、思い出せないのに。

深夜

三日(長かった)我慢したあとで見る推しの姿、大変に美しくて頭を抱えている。

11/11

午前

友人「君は昔の哲学書みたい。時代が変わって、人も変わって、時代にも、人にも合わなくなってるのに、〝この世界の人々〟みたいな古い本を読んで〝こうなんでしょう?〟ってわかったつもりでいる。それは違うから。君にはラグがある、本になる前に人は変わる。君だけちょっと遅れてる」私「それはそうだね。確かに過去の哲学は過去のものだ。本はどんな内容であっても、その時代の空気や、人々の暮らし、悩み、喜び、憤り、希望なんかを記録したものでしかないし。時代が変われば何もかも変わってしまう。だから哲学があるのでは?それぞれの時代の人間が、過去を覗き込んで〝美しい〟と感じたものを現代に移す。そうやって取り出して、変わらない〝変わらないと感じる〟人間の気持ちを現代に映す。今だってページは増えてるんだよ。それぞれの時代で、誰かは必ず、その本を手に取る。哲学書はもうボロボロかもしれないけど、一度も忘れられたことがない。この先も埃をかぶることはない。私のような人間がいるからね。私は遅れていていい。あなたが時代に迷ったとき、人に迷ったとき、手に取るのはこの本だって確信してる」喧嘩である。

午後

私は「一方的に関係を断ち切る」ということはしない。しないが、関係をゼロに戻すということは普通にする。「話しかけても返事がない」という状態になることはない。質問に答えるという自身の性質があるからだ。だけど、ある日、それがどんなに親しい友人であっても「はじめまして、メッセージありがとうございます、それでは質問に答えます」という返事になることは普通にある。〝はじめからやりなおし〟だ。

今夜


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恋人の心を眺めている。瞬きのたびに瞳が澄んで、私に星が映りそう。

11/12

午後

友人の話を聞いていて思った。例えば、精神だけで完全に愛し合える世界があったとして、その世界の中でなら、彼女の愛も安心して眠れるのではないか。だけど、私たちには肉体があって、その肉体は社会の中にあって。「愛している」だけでは愛し合えない世界で、彼女は泣いている。ここが精神だけの世界じゃなくてよかった。私には肉体があって、社会には電車があって、だから、私たちまた会えるね。今日、寒いよ。何か温かいものを飲んで体を暖めよう。精神に出来ないことは全部、そうやって、肉体がしてくれるよ。

11/13

午前

本当は何が欲しい?

午後

新しいコート。「今日、このコートのこと好きになった」と私。「え?気に入ったから買ったんだよね?」と友人。「そうだよ。この形が好き、色も好き、着てみて私に合うと思って、好きって思って、それで買った。でも、好きってもう一つあるじゃん。実際に着て、一日を過ごして、窮屈じゃないとか、階段のときに裾が気にならないとか。最初の好きは握手だよ、二回目の好きでキスする」と、また私。

夜中

楽しく出来ないときは帰る。だって、楽しい方が良いから。他人に不機嫌を押しつけて、楽しめるはずがないから。

11/14

午前


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嫌というほど自分を知っている。自分の気に入らないところを直してみても、きっと、私は何一つ気に入らない。「どうして最初からそうじゃないの?」そう口にする。傘が欲しいわけじゃない、傘なんていらない。雨に濡れるのが嫌なんじゃない、そんなの何でもない。「どうして雨が降っているの?」知りたい。そう口にする、私を知っている。だから傘がなくても歩ける、ひどい雨でもどこへでも。どうして雨が降っているの?私の気を引くために、雨は。

午後

「どうしていつもそんなに〝自信満々です〟みたいな顔してるの?」と聞かれて思った。例えば、誰か、他人のように生きようと思えば、私もきっと不安になる。どこか間違えているんじゃないか、いつか失敗するんじゃないか。だけど、私は私を生きている。私が私を生きるのに、間違いも、失敗もない。ただ生きているだけで、完璧に、私だ。それが良くも悪くも顔に出ているんだと思う。多分。

夕方

子供の頃に好きだった人のことを思い出した。彼が懸命に隠そうとした孤独を、私は見つめていた。彼は彼の事情によって孤独だった。孤独だったが、いつも笑うことを選んだ。選ぶことが出来た。美しい人、それを品性という。どのような生まれでも、どのような暮らしでも、彼は生きる。彼が選び、作っていく、美しい自分。その美しい孤独を、私は見つけた。

今夜

怠いセックスってあるじゃないですか、好きです。手首とか腰とか足首とかに重しを乗せていくみたいなセックス。閉鎖病棟で拘束するときって、手首と腰と足首を拘束するんですよ。そうされて、自我は浮き彫りになる、削ぎ落とされる、削ぎ落とすために自我は呼び起こされて、そういう、怠いセックスです。

11/15

午前

素晴らしい考えの側にいたい。

午後

私はいつも私でいる。そうしたいからそうしている。そうしていると、他人も「あの人は、あの人だ」と、私を判断できるようになる。それってなんか安心するでしょう?そうやってもっと、仲良くしよう。

夕方

友人「おしり叩いてって。猫はおしりをトントンされるのが好きらしい。性的に気持ち良いみたいだよ」私「性的に気持ち良い(猫のおしりをトントンしつつ)」

今夜

「嘘つき。あのとき、ああ言ったじゃないか」と責められるたびに「そうだね」と思う。「そうだね。あなたは今、あの言葉を嘘にしないために、私に嘘をつくことを求めている。でも、そうすると、私はあなたの嫌いな嘘つきになる。どちらにしても私は嘘つきだ。自分に都合の良い方の嘘は許すの?そんなのダメだよ、許さないで。私を引き止めたいのなら〝嘘にしないで〟ではなく〝今ここで嘘をついて〟と言うべきだった」と思う。

11/16

午前

他人の、たくさんの「お願いだから」を払い除けてきた。だから、私の「お願いだから」が他人に払い除けられたとしても、それは仕方がないことだとそう、全く思わない。私は誰よりも願う。初めてのように願う。誰に否定されても、拒絶されても、私を払い除けようとする他人の手を掴んで、願う。

午後

あなたのお願いが叶わなかったのは、あなたのせいだよ。あなたが叶えなかったせい。だからね、私のお願いが叶わなかったとしたら、それは私のせい。私が叶えなかったせいで、あなたのせいじゃない。

深夜

ああ、私が自分のものをどのように扱う人間か知りたいのか。つまり、私のものになりたいのか。

11/17

午前

今朝、思い出した。そうだった。私は、あなたの「後であげるんだからいいでしょ?」みたいなところが怠くて、それで会うのをやめたんだった。あなたは確かに後でくれる。ちゃんとくれる。でも、後ならあなたじゃなくていい。私が欲しいときにくれないのなら、意味がない。

午後

犬歯が目立つ人、好きだ、愛している、結婚しよう。

私は何でもあげることが出来る。欲しいと言われれば何でも。あげたものだから返さなくていいよ、返さないで。だって、それはもう私のものではないから。私の名前が書かれたものを、他人に持たせたくない。だって、面倒だから。私は名前を消して渡す、さよならをしている。愛にも金にも私にも、どれにも名前はない。私のものではない。だけど、あなたには、私の名前を書いたものをあげるよ。四六時中「ねえねえ、ちゃんと大切にしてる?」そう言って付いて回る。追いかけ回す。死ぬほど面倒だな、それでもいいよ。だから、あなたは私の名前を呼んで。私からあなたに、愛を込めて。

私はいつか愛でおなかいっぱいになって眠るからな。ぜっっっっったいに眠ってやるからな。

今夜


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深夜

自分の姿を見たことがないのではないか。彼は、よく澄んだ自分に他人を映している。たくさんの他人がやってきて、彼に自分を映す。うっとりと見つめる。だって、曇りなく美しく映るから。彼は自分の髪が気になる、服も気になる、靴も、ちゃんとしている?変ではない?気にしている。自分の姿を映すものがないから。他人はまだうっとりと見つめている。彼が不安に揺れると、その水面も歪む。他人は言う「どうして」一緒に揺れてしまう。私の目を使うといいよ。瞬きのたびに澄んで、あなたを映す。髪も、服も、靴も、素晴らしいよ。それでも、他人の「大丈夫」では不安になる。自分は〝大丈夫〟だと理解するまで、私の目を使うといい。そんなことを言って、本当はただ、見つめ合いたいだけだったりして。私がどのような人間であるか、あなたに、よく映っている。

11/18

午前

日常の中にある議論で「相手を黙らせようとする人」っているけど、一体なんなの?相手をねじ伏せ、黙らせてしまった時点で、議論は台無しなんだけど。相手にもう一つ良い考えを出させること、それ以外に価値なんてないのに。自分が相手にそうできたとき、相手も自分に同じことをしてくれるはずで、もっと他人を使いなよ。相手がいなければ生まれなかった〝新しい考え〟以外に、ここでの勝ちなんてないのに。

午後

私は神様のことが大好きだけど、それは、私にとって神様が〝人間が作り出した最もロジカルな創造物〟だからで、一つの命題であって、構造があって、自分なりに分解、証明する必要があると思うからです。人間に答えるのは人間であって欲しい、私は神様とのーーーを続ける。

今夜

通常「何を意味しているんだろう」ストレス「意味なんてないのかも」非常「何一つ意味なんかねえぞ、人間ごときに意味なんかあるわけねえだろ、自惚れんな」

投げやりになるときは大抵「意味がわからない」という嘆き方をする。私は意味に執着している。すぐに「それってどういう意味?」と聞きたくなる。意味がないことを続けることは出来ない、だって、そんなの意味がわからない。ねえ、ところで、意味がないってどういう意味?

11/19

「月の裏側を見たことはないけど、私たちは月を愛でるし、月もそれを見せないけど、黙って愛でられている」と友人は言った。照らし出された部分を表とか言われて、愛でられて。でも裏があるとか言われて、疑われて。書いてもいないものを読まれて、勝手に作り出されて。それで愛しているとか言われて、言われてもさ。

午後

私は帰らないけど、あなたはどうする?

今夜


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深夜

相手の〝考え〟を愛している。素晴らしい考えを見つけると、真っ直ぐに駆け寄って「それすごくいいね、見たいな、どうなってる?自分で作ってる?自分で分かってる?触ってみてもいい?重さを確認したい。見た目より軽いな、意識的にそうしてるの?本当は軽いけど重く見える、本当は重いけど軽く見える、そう見せる、みたいな。そういうのがあなたの好み?教えて?もしかして何か仕掛けがある?こんなにシンプルな作りなのに、鍵穴があるなんて不自然じゃない?鍵では開かないはず。鍵で開くと相手に思わせるために付けてある、鍵を探させるために付けてある、誘導してる、そうでしょう?本当に鍵をかけて隠しておきたい何かがある、違う?隠しておきたいはずなのに暗示してしまう。孤独を許し切ってはいない、何かを待ってる、壊れない錠を探してる、違う?違ったとしても、私と話そう?」を始める。

11/20

午前

「一方で成熟し、もう一方では幼稚という、ユニークな特性の組み合わせ」とのこと。心臓は子供で、そこから送り出された血液は大人という感じか。他人から〝よくわからない〟と言われることが多い。他人への発言は大体「むり!いやだ!やりたくない!そもそも私は何が嫌なんだろう、避けたいことは何?何を恐れている?」こうだ。これで一文。相手は私のどの部分に対応すべきか迷う。

午後

「他人を理解することなど出来ない、理解したところで確認のしようがない」そう考える一方で、「他人を理解するために、私は常に、良い質問者でなければならない」とも考える。他人に鍵穴などない。良い質問は、相手に扉の場所を教える、内鍵があると教える。教わると同時に教えなければ。良い質問は、お互いに同じだけ与える、お互いが同じだけ得る。そう信じている。一方的になればいつか終わる、同時に、同じだけ、解けなければ。

「言ってることと、やってることが違う」と叱られるんだけど、それはそうだよね。私は言いたいことを言って、やりたいことをやる。言いたいことと、やりたいことは、全く別のことなんだけど。

深夜

あなたは、あなたの世界に私を拡散して。私は、私の世界をあなたに集約する。

11/21

午前

思考はパズルだ。それは平面で、立体で、実体で、表象。色があり、形があり、心もあるが、絵はない。だから何をしているのか分かっていない。「思考している」他に答えはない。答えはないはずなのに、あるとき突然、パズルのピースは嵌り出す。しかも磁石だ。引き寄せて離れない。色があり、形があり、心もあって、それが絵になる。私は描き終えてはじめて、自分は描いていたのだと気づく。

午後

みんなはサンドイッチをジップロックに放り込んで叱られたことがある?私はある。ラップで包んでから放り込むんだって。それはそうだよね。そのまま放り込んだりしたら、サンドイッチと共に、サンドイッチのアイデンティティも崩壊するわけで。サンドイッチのアイデンティティを守ることも、サンドイッチを食べる者の務めだと思う。よろしくな。

「もう少し頭が悪かったら良かったのにね」と母は口にした。入院したときだ。私を救いたかった人間の言葉。だけど、私はそうは思わない。私の幸福は、自身を理解し、完璧に機能させること。例えば自身の性質によって病んで、痛んで、そのせいで生きるほどに苦しむとしても、構わない。それが私なのだから。私の今ではなく、私の全てを見て。私の今が、泣いていたとしても、私の全ては、笑っている。それが私なのだから。

11/22

森を見て歩く。相手の時間の中にいるような気分になって、ああ、これは全部、名前を付けずに覚えておこうと思った。

11/23

午前

駅で知らないおばあちゃんから「お前みたいなのがいるから男が痴漢をするんだ!」と罵られたり、エレベーターに乗り合わせたマダムから「素敵な服ね、ふふ、男の人が触りたくなる気持ちがわかるわ」と声をかけられたり。私は一人でいるときも、男の人といるみたい。

午後

好きな人がふと口にした言葉、私も同じように感じていた。感じていたけど、言葉にしたことはなかった。だから、あなたがそう口にしたとき、あなたが言葉として突然、完璧に私に機能したと思って、それで、あなたは私の好きな人に。私はチョコレートを食べるたびに、あなたのことを思い出すよ。

夕方

「死ぬのが怖い」と泣いて、母親を困らせるような子供だった。死についてはその都度考え、その都度答えを出してきたが、「どうして私は死ぬのが怖いの?」という問いへの、最初の答えは、「私が死んだあとも、世界が続いていくことが怖い」こうだった。子供だった。自身の恐怖を理解し、納得した。無限への恐怖。人間は、精神は、肉体の中にいる。例えば、精神が肉体の外に蒸発したとしても、私たちの精神は再生する。自身の肉体の中に生まれたものを精神と呼ぶからだ。有限の中にある無限が人間であって、だけど世界の、死の、無限の中にいる私は、この有限は、どうなる?答えはない。私が死んでも、世界は続いていく。ところで世界は別に無限ではない、死もまた同じ、まだ死んだことがないからわからないが正しい。あの頃、泣いてばかりいたのは、私が子供で、ただ無限だったからだ。

「私は死と同じじゃないの?」と恐れ、泣いて、生きて、私と死は同じだと知った。何もかも全て、まだわからないが正しい。少しも矛盾していない。

今夜

好きにしていいよ、私も好きにする、離れそうになったら声をかけるよ。「離れないで」とか「行かないで」とか「愛してる」じゃなくて、「離れそうになってる」と声をかける。それだけ。そういう愛してるを、他人はあまり聞いてくれない。

深夜

私「私の前ではみんな同じ、みんな等しく人間だよ、両親も犯罪者も同じように判断する、神様よりも平等だ、安心して欲しい」友人「それが不安なんだって」

11/24

午後

私の世界にいるあなたは、あなたに、会いたがっているよ。それはそうだよね。私の世界にいるあなたは、私でしかなくて、だから当然、あなたに会いたがる。私がそう望むように、私のあなたも望む。こんなの全然、あなたじゃないかも。だからね、私のあなたと会って欲しい。いつも調整して。あなたにはそれが出来る。あなたにしか出来ないことを、私にして。

深夜


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11/25

それって悪意ですか?困ります。

私は自身の暴力性(色欲)をどこまで、制御することが出来るのでしょうか。

みんな気を使って「ーー予約しておくね?」「ーーはどう?」と聞いてくれるんだけど、私は大抵の場合、ロイホに行きたいと思っている。なんかごめんな。

今夜


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深夜

全然セックスしてないことに気づいて笑ってる。良い機会なので、今後は死ぬほど好きな人としかセックスしないことにする。これ、最初からやらないといけなかったやつ。

11/26

午前

「死ぬほど好き」なんて、自分勝手に相手を思うから口にする言葉で、だけど、自分勝手に相手を思わずに口にする「好き」なんて、ある?

午後

誰も気づいていないように思うが、私は自身の「欲しい」という欲望を全て、「与える」という行為に変えることが出来る。同じことだからだ。愛と孤独がお互いを共有しているように、自然に、行き来する。今日は欲しいが与えるの服を着ていた。明日は与えるが欲しいの服を着る。私には底無しの「欲しい」があって、それはつまり。

夕方

この冬、私は絶対にモテたい。

私は「好きな人がどんな部屋に住んでいるのか絶対に知りたい」過激派だ。部屋はその人の肉体というイメージがある。部屋で過ごしているとき、その人自身が精神になって、その入れ物が部屋、肉体。そういうイメージ。だから絶対に知りたい。

今夜


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「あなたの考えを聞かせて」にはいくらでも答えられるのに、「あなたの気持ちを聞かせて」になると、「なんか嫌だ」「なんか良い」「なんか好き」としか答えられなくなるの、絶対に可愛いと思う、絶対に愛して欲しい。

11/27

「ねえねえ、ぼくの誕生日って覚えてる?じゃあ、好きな映画は?使ってるシャンプーは?ええ、違うよ。xxちゃんってぼくのことすぐ忘れちゃう。ねえ、お願い。ぼくのこと全部覚えていて。全部忘れないで。xxちゃんの中にぼくを置いておきたい」って言われたいので今日も生きます。よろしくな。

今夜

月が澄んでいる。


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恋愛、相手が持っているお皿に〝相手の分の食事〟を乗せていくイメージがある。「今朝、なに食べたんだろう、どれくらいお腹すいてる?メインは魚にしようと思うけど、どうかな。野菜は好きだったよね。でも、この前、最後にフレンチドレッシングをかけたら〝あっ〟って顔してた。フレンチはダメ、そのときの気分かもしれないけど。蕎麦は絶対にダメ、アレルギーだから死んじゃう、気をつける。あ、私、これ好き。少しだけ乗せちゃおう」こんな感じ。好きなものばかりが乗っていたら嬉しい。食べたことがないものでも、試せることが嬉しい。苦手なものが乗っていたとしても「これは苦手なの」と話せることが嬉しい。もう何をしたって楽しい。

11/28

午前

「そう出来るからそうする」という感覚がある。友人には少し分かりづらい感覚らしい。喉が渇いたとか、渇いていないとか、それは他人のものだとか、自分のものだとか、関係ない。爪先はタブにかかっている、私は開け方を知っている、当然「開けるよね」という感覚。だって、他に何が出来る?

午後

私が何を思っても、あなたの尊厳が傷つくことはないし、誰が何を思っても、あなたの尊厳が傷つくことはない。そして、あなたですら、何を思っても、あなたの尊厳を傷つけることは出来ないということを、私は知っている。あなたは分からなくてもいい。

私はおそらく、病的に求められないと「愛されている」と感じられない。深刻に、でも良い。大抵の場合「愛されている?」と感じている。

風邪をひいた。頭が回らない。判断力も落ちているので、絶対に付け込まれたい。

今夜


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つまり私は、病的に、深刻に、相手を求めたいのかもしれない。

深夜

推しのグループに「推しより顔が好みのメンバー」がいる。このメンバーが素行の悪さ(女、タバコ、態度)により活動休止となった。ふーん、あの綺麗な顔で?生活はめちゃくちゃだらしないんだ?ふーん、そうなんだ、好きなんだけど?

11/29

午前

蝶を見たいと思ったとき、カゴを持って出かけようとは思わない。私は、私の庭にやってくる蝶を見たい。庭に花を植える、どの季節にも花が尽きないように心を配る。私は蝶を忘れ、花を愛する。蝶のための花にしない。蝶のために花に尽くせば、いつか、蝶を連れてこない花を憎むかもしれない。「ここに蝶がいてくれたら」とは願わない。花はもう完璧に美しい。ある日、私は、私の庭にやってきた蝶を見つけて、「ああ、もっと素晴らしいことがあったなんて」と気づく。その日から私は、蝶を愛し、より深く、花を愛する。

午後

「ビー玉みたいな目だね」と言われたことがあって、当時は「褒めてくれてる?」と思っていたんだけど、この言葉を「感情が見えない、何を考えているのか分からない」という意味で使う人もいるらしい。もしかして、こっちだった?

私には「好きな男と一緒にドーナツを食べたい」という願望がある。大抵の場合、相手はこれを受け入れる。しかし、皆一様に「なぜドーナツ?」という態度だ。ドーナツは、哲学的思考を促す、最高にエロい食べ物だ。よろしくな。

関係性によって与えられる約束を、私は信頼しない。人間性によって与えられる約束を、私は信頼する。

深夜

だるい。

11/30

午前

相手の感情や思考に、自分の思考を使った。理解を試みる、私はそういう人間だ。そう出来るからそうする。夢中になって、食事をする手が止まる、ペンを取って、私から見た相手の美しい構造が見えてくる。高揚と、爆発的な集中の中にいて、自身の感情や空腹のことを忘れていた。それで良い、私はそういう人間だ。昨夜は突然、肩を叩かれたような気分だった。そんなのいいよ、意味ないよ、君じゃなくても出来ることをしよう、そう言われた気分だった。確かに意味などない。意味などないが、愛のようなものはあったはずだ。伝わらないのなら、確かに意味などない。意味などないが、いい?よく聞いて?以下は永遠に続く、確かに意味などない。意味などないが、愛のようなものはあったはずだ。

ああ、空腹に気づいたのか。お腹が空いてぐずり出す子供と同じ。私がぐずり出す前に、キャンディを渡して欲しい。

午後

私は自身についての説明を続けた。十分ではないかもしれないが、不足はしていないはずだ。

今夜


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人と同じものを食べているのに、私の口の周りだけベタベタになる、という現象がある。子供の頃からうっすらと感じていたが、それは今も続いている。食べ方が悪いのか?とも考えたが、普通に口を閉じて食べているわけで。詰め込んでいるわけでもないし。多分なんですけど、私、なんか口角がゆるい。口角からもれてる。飲み物もこぼす。生きるのに向いていない。

深夜

この件に関しては、神様より自分にお願いした方が確実なのでそうするんですけど、私だけを愛し、私だけを綺麗だと感じ、夜中に「アイス食べたくなっちゃった、一緒にコンビニ行こう?」と私だけを誘ってくる可愛い彼氏(好きなアイスはスーパーカップのバニラ)、ぜっっっっったいに欲しい。